「ジェンダーかるた江南版」を紹介します!(江南市女性連絡協議会)

「ジェンダーかるた江南版」は、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指し、江南市女性連絡協議会が多くの皆さんとの協働で作ったオリジナルのかるたです。

かるたの制作には一年を要し、市民から募集した「ジェンダー川柳」をもとに読み札の句を作り、その句に合わせて地元の高校生が一枚一枚に心を込めて描いたイラストを絵札にしました。

古知野高校イラストレーション部の皆さん

句の中には、家庭や学校、職場での男女の役割への違和感や、日常の気づき、そして未来への希望がユーモアを交えて詠まれています。
かるた取りをすることで、子どもから大人まで幅広い世代が楽しみながら「ジェンダー平等」について考えることができますよ!

学校や地域の学びの場、イベントや交流会など、さまざまな場面で活用できる内容で、「知る」から「気づく」、「語り合う」へとつながるツールとして、多くの反響をいただいています。

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新春ジェンダーフリーかるた会決勝戦の様子2025.1.13

それでは「ジェンダーかるた江南版」に収録されている句の一部をご紹介するとともに、それぞれの句に込められた想いや、高校生が描いた個性的な絵札をご覧ください。

男性が育児をすると褒められるのに、女性は当然のように扱われる”という不公平さへの気づきをリズムよく表現しています。
子育ては、夫婦が協力しあうものですね。育児の責任を共有することで、親としての喜びや成長も共に分かち合うことができますよ。

家事は“誰かがやるもの”ではなく、“家族で話し合って分担するもの”ととらえる視点が素敵です。家族全員で家事をシェアすることで家族のチーム力も高まります。家族がやりやすい仕組みを考えてみませんか。
子どもであっても年齢に応じてできることを一緒に考え、役割を担う経験は、家庭への参加意識や自立心を育てます。

「Ally(アライ)」とは、LGBTQを理解し、差別や不平等に対して共に歩もうとする支援者や協力者のことです。
自分とは異なる背景や生き方を持つ人々に寄り添う“アライ”の存在が広がり、無関心ではなく、共感と行動を通して、多様性が尊重される社会をつくっていく――そんな未来への願いが込められています。

「裁縫=女性の仕事」といった固定観念は、いまだ根強く残っています。この句は、「お父さんが裁縫してたって、いいじゃないか」と、大らかで自然体な口調で、その思い込みをやさしくほぐします。
家庭でも学校でも職場でも、“男らしさ”“女らしさ”に縛られず、自分の興味や得意なことに自由にチャレンジし、楽しめる世の中は理想です。お父さんの大きい手が織りなす芸術作品をとくとご覧あれ。

左右のバランスをとって静かに揺れる「やじろべえ」。この句は、その姿になぞらえて、男女が“対等”であることの自然さや美しさを表現しています。
どちらかが重すぎても、軽すぎても傾いてしまう――家庭も社会も、互いの役割や存在が釣り合ってこそ安定する。
やじろべえのように、揺れながらもバランスを保とうとする姿に、共に支え合う関係の大切さが込められています。

「ガラスの天井」とは、女性やマイノリティの人々が上を目指して努力しても、昇進を阻まれなかなか活躍のチャンスを得られない――そんな“見えない壁”のことをいいます。
あきらめることなくその壁に挑み続ける意志を、呼びかけるような強い言葉で表現しています。
絵札のイラストからは、それが簡単ではないということが伝わってきます。
でも、「自分には無理」と思い込むのではなく、「変えていこう」という一歩が、社会を動かす力になる――そんなエールが込められていますね。

3月8日は1975年に国連によって制定された「国際女性デー」。
世界中の女性の勇気と努力をたたえ、ジェンダー平等を願う日です。
ヨーロッパではこの日、感謝や尊敬の気持ちを込めて、女性にミモザの花を贈る風習があります。
やさしく香るミモザの花に重ねて、女性たちの存在をたたえ合いたいですね。
優しいイラストも素敵です♡

家事は無意識に誰か一人の役割とされがちで、「ゴミ出し」もその一つです。
この句は、「私が忘れても、夫が出してくれる」そんな自然な助け合いの姿をリズムよく描いています。
夫婦間での家事分担は、完璧なルールよりも、お互いの気づきとフォローが鍵。固定観念にとらわれず、「できる人が、できるときに」が心地よい関係をつくるヒントになるかもしれませんね。
日常のコミュニケーションが円満の秘訣。お互い補い合う気持ちがあふれるこの一句は、2024年度の大賞に選ばれました。

「ランドセルは男の子は黒、女の子は赤」という昔ながらのイメージは、薄れつつありますね。
性別に関係なく「好き」を選べる自由な環境が、子どもの個性や自己肯定感を育みます。
多様性を尊重する社会の第一歩は、身近な選択から始まるのかもしれません。

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、いかなる理由があっても決して許されるものではありません。それでも、「自分が悪いのかも」「逃げるのは弱いこと」と思い込んでしまう被害者は少なくありません。
被害に声をあげること。そしてその声に気づき、否定したり責めたりせず、共感し、支えること。「あなたは悪くない」と伝え、安全な場所や専門的な支援へとつなげることが必要です。

子どもも大人も、「これが好き」と思えるものには、その人らしさや大切な価値観が込められています。けれど、性別や年齢、世間のイメージを理由に「そんなの変だよ」と否定されると、自己肯定感を傷つけられてしまうことがあります。
誰かの「好き」に寄り添いその人らしさを認めること、ありのままの「君」を受けとめる意識が、より良い人間関係や多様性のある社会につながっていきます。

「男前」という言葉には、見た目の良さだけでなく、潔さや器の大きさといった内面的な魅力を含む意味合いがあります。
しかし、「女前」という言葉は一般的に使われていません。女性をの内面をほめる言葉がもっと増えるといいですね!
男女ともに、外見も内面もステキで頼れる人物でありたいです。

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いかがでしたでしょうか?
ジェンダーの問題には、多様性、社会課題、ハラスメント、など多面的な側面が潜んでいます。
「ジェンダーかるた」は、それらのテーマに目を向け、家庭や学校、職場などさまざまな場面での課題に気づくことができるツールで、誰もが自分らしく輝ける社会を考えるきっかけになります。

“遊び”の中に“学び”があり、“気づき”が生まれる。「ジェンダーかるた江南版」を通じて、ジェンダーについて考えてみませんか?

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